ヤドカリとイソギンチャク〜西日本学習会②〜

教材研究「ヤドカリとイソギンチャク」(東京書籍 4年)

 思考トレーニングで身に付けた洞察力、分析・統一力を活用して、子どもたちなら「ヤドカリとイソギンチャク」をどのように読み深めていくのかを想定しながら、教員同士で模擬授業(演習)を行いました。以下は、この説明的文章を参加者が立体図に表したものや協議した内容です。

<立体図を書くときに各自が気をつけていること>

• 軸に近い要点(抽象的なもの)を上に、それを説明している要点(具体的なもの)を下に位置付けて書いている。

• 「◯◯のこと」「◯◯のこと」と事柄的にまとめていくが、この文章はそれがやりにくいため、子どもたちに提示するのは難しい文章ではないか。

• 形式段落のまとまりごとにまとめてできるだけ文章で書く、見やすい立体図にすることである。

 

<協議>

• この文章は読みにくさがあるが、言いたいところは⑫「助け合っている」である。大きなまとまりとしては、⑥と⑪その下に実験を位置付けた。

• 教科書では、「段落と段落のつながりを意識して読もう」となっているため、「問題1」「問題2」「問題3」・・・としてまとめた。これは「教科書を教える」という捉えになっている。子どもには分かりやすい立体図になっていると思う。しかし、筆者の主観「イソギンチャクも気持ちよさそうに」のような表現が入っているところも気になる。自分が追い求めている「完璧な立体図」になっていない。しかし、「教科書で教える」を目指したい。書きかけの立体図が本来書いてみたいものであるが、子どもたちには難しいだろう。

• 立体図の下の方に書いてある「イソギンチャクの利益」「ヤドカリの利益」という言葉を、子どもたち自身が気付いて上の方に位置付けて書けるとよい。

• 立体図を同質の要点を横並びにきちんと書くことを求めると、子どもたちは面白くなくなるかも知れない。全体を捉えて、「イソギンチャクとヤドカリが共生している」ことを捉えられたらよいのではないか。教科書の意図を押さえるのではあれば、評価テスト前に「基礎」の確認として扱うのも 1つの方法ではないか。

• 子どもたちに「どのようなことが書かれているの?」「ここは何が伝えたいの?」と問いかけると、結構、子どもたちは話せるものである。その話し言葉を立体図に書けるとよい。