大阪・兵庫・京都・和歌山・三重をオンラインで繋いで、学習会を行っています。6月12日(土)にも学習会を行いました。西日本の方で、興味を持たれた方は事務局までご連絡ください。さて、先月と今月の学習会の主な話題をダイジェストに紹介します。
★思考トレーニング
物事の本質をズバリつかむために、この文章は何が伝えたいのかをトレーニング文と呼ばれる短文を用いて、洞察の訓練をします。短時間で5つ~6つの文章をズバッ、ズバッと洞察(洞察過程)していきます。その後、1つ1つの文章に戻り、分析(分析・統一過程)していきます。授業で子どもたちに行うように、学習会の中で模擬授業として行った例を一部紹介します。
☆トレーニング文章「わたしの子猫」
①ミイコは、私の子猫です。
②くるくるした丸い目で私を見ます。
③私が歩くと、足にじゃれつきます。
④ミルクをやると、ニャアーンと言って、なめます。
⑤ご飯のときも寝るときも、はなれることができません。
◾️洞察過程 ⇒
軸の洞察「かわいい」でどうか。
(一同)それでよいと思う。
■分析・統一過程 ⇒
• ⑤の「はなれることができません」が◎(軸を表す一番強い文)ではないか。「ずっと一緒にいるから」「④まではそう思っているが、⑤はそれを伝えようとして書いている感じがするから。
• 軸を表す同質の〇(軸を表す)の文を捉えられたら、次に△(軸を引き立たせる)の文を捉えるようにするとよいと思う。
• 「わたしの子猫」の②③④は◯で、⑤は◎と捉えられると考える。
• (上記の意見に対して)「わたしの子猫」の中心文と周辺文の関係だと捉えると、②③④は△(周辺文)で、⑤は◎ではないか。
• ⑤は主語が書かれていないが、「わたし」が主語だと捉えると、「わたし」の気持ちが表れているのは⑤だけだと考えられる。だから、⑤は◎で、②③④は△ではないか。
• ここでは、◯と△で議論するより、⑤の◎を支える文として②③④が位置づいていることが捉えられたら良いのではないか。また、トレーニング文には主語が書かれていないものがあるので、誰を主語だと捉えるかによって、要点の捉え方が異なってくると思う。
上記のように、思考トレーニングでは長文読解のための練習をするのではなく、根本的な考え方のトレーニングを行い、子どもたちの考える力を鍛えていきます。